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喪中はがきについて

喪中はがきの宛名の色

弔事で使用される薄墨について

お葬式の際に供えるお香典は、薄墨で書くのがマナーです。
薄墨は通常の墨汁よりも色が薄く、灰色がかっています。
これには涙でにじんで薄くなった様子を表していたり、十分に墨を磨る時間がなく急いで書いて参じたといった背景を表していたりという日本の伝統が残っています。
この伝統が強く頭の中に残っている人は、喪中はがきの宛名の色も薄墨が最適なのではないかという考えに及ぶことでしょう。
しかし、弔事に薄墨を使用する理由をもう一度よく考えてみると、喪中はがきの宛名が必ずしも薄墨でなければならないわけではないことに気づくはずです。
薄墨を使うのは、十分な準備をすることができなかったという形式を表したもの。
つまり、十分に準備する時間があるはずの喪中はがきの宛名の色が、薄墨である必要はないのです。
むしろ宛名の色を薄墨にすることで起きる弊害もあるため、はっきりした黒で書くほうが正しいと言えます。

宛名の色を黒にすべき理由

日本古来の伝統に縛られて、弔事関係の文字の色はすべて薄墨にすべきだという概念を持っている人もいることでしょう。
しかし、喪中はがきは郵便物だという点も忘れてはなりません。
本文は薄墨でも全く問題ありませんが、宛名の色を薄墨にしてしまうと配達の際に迷惑をかけてしまう可能性があるのです。
郵便局では郵便番号を機械で読み取って振り分けていますが、薄すぎる文字は読み取ることができず、機械にはじかれて、人手を煩わせてしまうことになります。
さらに、喪中はがきを届ける際も宛名の色が薄墨だと、濃く書かれた文字よりも見難く、配達員にも気を遣わせてしまいます。
薄墨の文化は日本の相手を思い遣る良い文化ではありますが、郵便局で働く人たちに対するマナーとしては、薄墨よりもはっきりとした黒い文字で宛名を書くべきでしょう。
ちなみに、パソコンの宛名印刷でも薄墨を選べるケースがありますが、薄墨にするメリットはほとんどないので、通常通りの印刷で構いません。

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