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年賀状について

匿名でも年賀状は送れる?

差出人欄に記載のない場合

年賀状を作成しているときに、宛名面の裏側の絵柄面に住所や名前を記入したのだから、宛名欄に住所、氏名を書かなくても良いのでは?といった疑問が出てきます。
宛名面に住所氏名を書かずに投函できるのでしょうか。
ゆうパックの場合、「配達することができなかった場合、荷送人の氏名、住所、電話番号、郵便番号は記載していただく必要があります。
記載がない場合お引受けをお断りする場合があります。
」という記載がありますが、はがきに関しては特に記載がありません。

還付不能郵便

年賀状の場合はどうなのでしょうか。
結論的には、宛先名や住所がしっかりしていれば、先方に間違いなく到着します。
しかし、先方の住所を間違ったり、引っ越してしまったり、郵便料金が少なかったりした場合には、差出人欄に住所氏名が記入されていないと、「還付不能郵便」ということになります。
還付不能郵便になってしまうと、行き先も戻り先も不明で宙ぶらりんになってしまうので、このような場合には、郵便局は年賀状の絵柄面などを調べることが、法律上許されています。
年賀状の場合には、絵柄面に差出人の住所氏名などが記載されていることが多いので、無事に返還されることも少なくありません。

保管期間

なお、それでも記載がない場合は、郵便法によって、3か月まで保管されますが、補完時期を過ぎると廃棄されます。
年賀状の場合は問題ないでしょうが、封筒などに金品などが入っていた場合も3か月を過ぎると、中身は処分され、換金されて保管されます。
ポスト投函の場合は、差出人欄に記入がなくても投函できてしまいますが、郵便局の窓口に持ち込むときには、差出人の記載がないと受付を断られることもあるので、注意してください。

基本の基本

さて、ちょっと特殊な場合を想定しましたが、原則は差出人欄にはしっかりと差出人の住所氏名を記入するのが基本のマナーです。
はがきは「信書」といって、法律的には「特定の受取人に対し、差出人の意思を表示し、又は事実を通知する文書」と郵便法、信書法に規定されています。
信書の意義をしっかり理解して、差出人の住所氏名を記入することが重要です。
年賀状ですから、あまり内密なことを記入することはないかもしれませんが、何か問題があったときに郵便局員に調べられるのもあまり良い気持ちではありません。
実は、「信書」の解釈にはかなり問題があり、日本郵便が国営、公社時代から、民間が郵便事業に参入しようとすると、「信書」を盾に参入ができず、未だに課題を残しています。
この件については、これ以上触れませんが、今後も論争が続くものと思われます。

新たな試み

年賀状も日本の文化に定着した制度ですが、最近はSNSやメールなどによるコミュニケーションも増えています。
ふと気が付くとハンドルネームや、愛称は知っているものの、ご本人の本当の名前を知らない友人も増えてきました。
そんなネットを通じた友人に宛てた年賀状の配送サービスなども誕生しています。
郵便局のサイトである「郵便年賀.jp」では、ネットでつながっていれば、先方の住所などがわからなくても年賀状を送れるサービスを開始しています。
具体的には、SNSの友達やスマホのアドレスから年賀状を送りたい友人を選ぶと、事務局から先方にメッセージが届き、受け取りOKが承認されると、年賀状が送られます。
送り主は自分の住所を書くか否かについては自由なので、本当の匿名年賀状も実現できます。
同様なサービスは数年前から「mixi」「Facebook」「LINE」などでも実施されています。

まとめ

時代は変化していますので、SNSのような匿名コミュニケーションも広がるかもしれませんが、従来型の年賀状については、マナーの点からも、差出人欄に住所氏名を書くことをお勧めします。

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